豊かな自然に囲まれた奈良県吉野から健康に役立つ情報と吉野の地元情報を提供しています


とっておきのスポット

  よしの山の桜の見どころはたくさんありますが、ここではその一部を紹介してみます。下から順に案内致します。

1.お立ち所/下千本
   明治天皇妃の昭憲皇太后が花見に来られた時に立たれたのが、下千本駐車場の前付近である。ここからは下千本の咲き誇る桜が見渡せます。
高名な俳人貞室が「これはこれはとばかり花の吉野山」と詠んだのもこのあたりとされています。


2.吉水神社/中千本
   南朝の仮皇居があったところであり、太閤秀吉の大花見の際にはここが本陣となりました。ここからは中の千本から上の千本全景が見渡せます。またシロヤマザクラの群生である布引の桜を見ることができます。そして谷から吹き上がる風によって、桜の花吹雪が舞い上がる光景は実に見事です。


3.五郎兵衛茶屋/中千本
   桜花壇から如意輪寺までの細い道を下っていく途中に、谷にせり出した尾根の先を削って恰好の花見の広場となっているのが、五郎兵衛茶屋とよばれているところ
です。ここは中千本の中にあり、その昔五郎兵衛という人が茶屋を開いていたのでその名がついたといいます。


4.花矢倉/上千本
   ここは義経一行を敵の襲撃から逃すため、忠信一人で次から次へと下に向かって矢を射、見事義経らを守ったのでこの名がついたとされます。ここからは、吉野山の家並みと桜が一望できる素晴らしいスポットで、渡辺保氏の「千本桜」には、・・・・・・
花の波が打ち寄せるようであった。その急坂の下にずっとなだらかな尾根づたいに
桜の峯がつながっている。中の千本・下の千本へとつづく吉野山の全景であり、その桜の中に、蔵王堂はじめ多くの堂宇、宿坊が埋もれている。・・・・・・と描写されています。また、このあたりの桜を「滝桜」といいます。桜の盛りに中千本付近から見上げると、満開の桜が風に吹かれ、滝のように落ちる壮観なところから名付けられたといいます。


5.西行庵
   金峯神社より細い道を登り、今度は下った所に広場があり、その傍らにひっそりあるのが西行庵です。ここまで来る人は比較的少なく、また開花時期も下の桜が散り去った四月下旬であるので、訪れる人も多くはありません。それがかえって風情があります。西行もむしろ人知れずひっそりと咲く桜を愛したのではないでしょうか。年によってはゴールデンウィーク時期に楽しめることがあります。


 このように、吉野の桜は単なる景色だけでなく、背景に西行や後醍醐天皇・太閤秀吉・芭蕉らの姿を思い浮かべながら鑑賞できる楽しみがあるのです。そのため染井吉野のようなはっきりとした色でなく、その人の思いや知識・イマジネーションによってさまざまに色を変える 淡い色をしているのです。どうかそんな思いで吉野の桜を眺めてみてください。そこにはあなたしか見えない吉野の桜の色があるはずです。

                        資料提供:吉野町商工会



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