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吉野山とっておきの桜



  吉野の桜は、それが群れとなる集団美が一つの特徴ですが、1本だけで存在感があり、吉野の歴史と深く関わっている桜を紹介してみましょう。この紹介にあたっては、吉野山を訪れる観光客一人一人に親切丁寧に応対し、ここでしかない情報を提供し続けておられる吉野山ビジターセンターの蜂谷館長のご協力を得ました。


1.四手掛桜(御車返し)/七曲坂・幣掛明神
  吉野駅をおりて、ロープウェイを使って山に上がるのもいいですが、その下にある七曲を登る方法もあります。七曲坂は両側が桜並木の道で、歩きながら桜を楽しめるという風情のある道です。その坂の入り口に幣掛明神があり、その神社の傍らに咲いているのが四手掛桜です。これはまた「御車返し」とも呼ばれています。この御車返しにはこのような話があります。・・・・・・桜愛好者としても知られる後水尾天皇が、あるお寺から帰りのことです。帝は牛車の中から、ふと美しい桜を見かけたので、車を止めさせもう一度花の下に車を寄せられました。その花は淡紅の大輪、一重かと思えば八重であり、その優雅な美しさに帝はしばし留めて眺めていたという。・・・・・・
その逸話にちなんでこの桜は「御車返し」と呼ばれるようになったといいます。この桜は花弁が三十枚前後の八重大輪で、花の期間が長く四月上旬から下旬頃まで楽しめます。


2.関屋桜/黒門付近
  七曲坂を登りきり、大橋から左にロープウェイ山頂駅を見、黒門までの回りの桜を関屋の桜といいます。その名は、その昔このあたりに吉野山の関所があったことから、関屋桜と呼ばれるようになりました。その昔大阪平野の豪商末吉勘兵衛が植えた桜といわれ、薄紅かかった美しい一重のシロヤマザクラで、四月上旬から中旬頃まで見られます。


3.四本桜/蔵王堂
  坂を登りきった所で、突如眼前に現れる巨大な木造建築物が蔵王堂です。この蔵王堂境内にあるのが四本桜です。元弘三年(1333年)大塔宮護良親王が、北条方(鎌倉)に攻められて吉野山に立てこもり、ここを本陣としましたが、この吉野城陥城直前ここの四本の桜に幕を張り、最後の酒宴をしたといわれています。花は一重のシロヤマザクラ(白山桜)で四月中旬が見頃。


4.御所桜/南朝宮跡
   蔵王堂境内威徳天満宮右の階段を下りていくと、そこに後醍醐天皇が南朝皇居とした実城寺(金輪王寺)がありました。南朝五十七年を偲び後醍醐天皇の496回忌に植えられたのがここにある御所桜と呼ばれる桜で、桜は一重の白山桜で四月中旬が見頃です。白山桜は物悲しさ漂う趣のある桜ですが、ここの桜は特に物の哀れを感じさせるように見えます。


5.多宝桜(東南院
   蔵王堂を後にしてしばらくいくと東南院の多宝塔が見えます。この塔と塀の間にあり、道沿いにまでその枝を延ばしている桜があります。この桜は多宝桜と呼ばれ、美しい一重の枝垂れ山桜です。四月初旬が見頃です。

6.勝手八重桜(木の花桜)/勝手神社
   東南院から出てすぐ右にあるのが勝手神社です。この祭神は桜の精とも呼ばれる「木花咲耶姫命」です。この境内に咲くのが勝手八重桜で、地元では木の花桜とも呼ばれ親しまれています。この桜はカンザン桜の品種で、花弁が三十枚前後ある八重大輪の花を咲かせます。現在の桜は九十年ほど前に植えられたもので、五月初旬が見頃です。


7.フゲンゾウ(普賢象)/勝手神社
   同じ境内にもう一本珍しい桜があります。フゲンゾウ(普賢象)といって、赤茶色の新葉を開き、淡紅色の花の中心には緑色の葉状に変化した雄しべが二本あります。
フゲンゾウの名は、普賢菩薩が乗った象の鼻を花にたとえ、葉化した雄しべの先に
残っている日本の花柱を牙に見立てて名付けられたということです。


8.夢見桜/桜元坊
   勝手神社を出るとすぐ右に急な坂があります。この坂を登り切った左にあるのが、桜元坊です。ここには、大海人皇子ゆかりの「夢見桜」があります。671年兄天智天皇方との政争をきらって大海人皇子は吉野へとやってきます。この吉野山には神功皇后が建てられたという日雄殿という御殿がありました。その日雄殿ついた時、皇子は冬であるにもかかわらず、爛漫に咲き誇る桜の夢を見ます。翌日起きて山をみると、一本の桜の木が満開の花をつけていました。不思議に思った皇子は、このことを役行者の高弟の角乗上人に占わせると、上人は「桜の花の中の王で、これは皇子も王となる知らせです」と答えました。その後、この占い通り吉野から出陣した皇子は、
見事壬申の乱に勝利し、天武天皇となり、この桜木の下に寺を建て桜元坊としました。この桜は枝垂れ山桜で、垂れ下がった枝に淡紅白色、一重の花を咲かせます。四月初旬が見頃。


9.太閤桜/金峯神社
   竹林院から天王橋を越え、民宿太鼓判の前の細い道を登り、花矢倉・水分神社を越え、車で行ける最終地点が金峯神社です。太閤秀吉の大花見会の時、秀吉はここまで来て祈願し、大阪より持参した千本の桜の苗木をここに植えたといいます。この太閤桜はカスミ桜の品種で、白色で高木、見頃は四月中旬過ぎ。




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吉野山の中心に位置する中千本にあり。春、全山咲き乱れる桜はいうまでもなく、源義経、静御前の悲恋、後醍醐天皇の悲運の歴史の舞台を散策するにも程良い位置にあります。