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木酢液の園芸・農業への使用例

1 葉菜類

ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ等、栽培期間の短い作物には、発芽前後から薄い濃度のものを数多く散布するのがよい。例えば5日間隔で1,000倍液を2回、続いて800倍、500倍と収穫前に300倍を1回散布することもよい。
従来200g一把のホウレンソウの束が12株だったものが茎葉の充実することにより6〜7株で足りるようになる。品質としても蓚酸が減少して生食できるほどに甘味をもつようになる。幼葉時から300倍以上の濃い液を散布し続けると、葉が硬直して折れやすくなることがあるので最初は小面積で試して検討しておく必要がある。キャベツ、ハクサイは、定植後1ヶ月に2、3回の300倍液、育苗時は7日間隔の2,000倍で効果がある。

ネギ類

ネギ、タマネギ、ニンニクでは幼苗期を800〜1,000倍とし、生育後半から収穫期まで300倍程度を1ヶ月2、3回の散布でよい。ネギでは葉先が鋭くなり色彩もよく、葉組のしまった荷姿となる。品質は何れも食べて柔らかく味もよい。ニンニクは増収となり収穫後の首もしっかりする。
ネギ類の軟腐病はそれまで木酢液使用していなかった場合でも、株元への200倍程度の散布で立ち直ることが多い。


実もの野菜

トマト、キュウリ、ナス等では、幼苗時500倍、以後は1ヶ月2、3回の300倍の散布で順調に発育する。ナスでは果実の紫の色彩が著しく濃色となる。
トマトの褐色根ぐされ症状は木酢液への灌注もよいが、地温低下を予防するために粉炭を根辺土壌に混入しておいたものでは効果が著しい。青枯れ、半身萎凋等の難病も50倍液を1株あたり1〜2リットル灌注して回復をみた例は多い。トウガラシ(伏見甘長)では、散布で自然落下が少なくなり実はやや小型であったが大きさが揃い、実の数量が増加した例がある。


イモ類

最も効果の著しいのはジャガモで、300倍液を1ヶ月2、3回の散布で順調に生育する。サトイモ、サツマイモでは、前者の収量増があるが、塊根形成(白い根が赤くなる)時期以前の散布では効果がまちまちである。


根菜類

ダイコンは、間引き終了後数日(本葉4、5枚)までは1,000倍が無難である。播種5ヶ月以後の300倍の1ヶ月2回程度の散布は、細根を縦横に発育させ収穫物の大きさを均一にする効果がある。
この点ゴボウ、ニンジンも同様である。


イチゴ・メロン

チゴは常時200〜300倍の散布で、果実の香りが著しく強くなり、甘味も糖度で3度程度上昇させる。木酢イチゴと看板をあげている観光イチゴ園もある。本年、季のうどんこ病は高濃度の散布を連日のように繰り返し女峰では比較的効果があったにもかかわらずトヨノカでは効果が少なかった。炭疽病とは逆の羅病性の品種間差異があるかのようであった。一方、常時600倍散布で好成績をあげている例もある。
メロンにも果実の肥大、糖度に好影響を及ぼすが種類及び作付時期によっては散布の影響が異なって現れることがある。なかでもアールス、アンデスは敏感なので、注意を要する。また春作よりも成熟期間の短い時期での糖度上昇時には悪影響のないような散布を考える必要がある。そのため、幼苗時の800倍、アールス、アンデスでは成苗でも同様の濃度とし、他種の成苗400倍程度までにとめておくことが安全である。マスクメロンでは200倍の散布で花落ちをおこしたり、同倍率の収穫期直前の散布で、再度、果実の栄養生長を促すことがあるので、糖度を上げるための散布(400倍程度)はテニスボール大を超えたら中止し、その後は800倍程度に濃度を下げ、肥大をはかりながら細胞液の濃縮を栽培技術から考える必要がある。
500倍液をぬらした布きれで、果皮を湿らせると網目がはっきりするのはダコニールを使った場合と同様で、食味ものどへの刺戟の残りやすいものでもねっとりと口あたりがよくなる。木酢液を十分に散布したメロンは皮及び肉質が堅くなるので、果実の保存期間を延ばすのに役立つ。また、果肉は堅く甘いが、検討する課題とはなる。


マメ類・トウモロコシ

ソラマメ、エダマメ等は、開花前まで約500倍、着莢後は300倍を1ヶ月2、3回散布で実つき、実入がよくなる。
トウモロコシでは、300倍を1ヶ月に3回の散布で草丈が著しく抑制されるが、収量、品質ともに向上する。


果樹類

リンゴでは、若葉のころに高濃度(200〜300倍)を散布すると、葉の伸展が著しく遅れるので800倍くらいから始める。1ヶ月に2、3回で、葉が十分な大きさになってからは300倍程度まで濃度をあげ、果実がピンポン玉より大きくなったら中止しておくのが無難のようである。
それ以降の散布は糖度をあげるが果実の下部に木酢液が集まる結果、縦長の形状となる傾向があり小型の果実ほど著しい。
葉が十分に伸展する以前に、木酢液散布で葉を小型に抑えるベテラン農家もあり、葉が小さいことから、果実への日照りがあるので、摘葉作業や地面の日光反射シートの使用を省略できるとしている。
モモ、ナシでは、若葉に対する影響がリンゴよりも少ない。
サクランボにおいても着果当初まではリンゴと同様でよいと思われるが、このような小型の果実については、過熱(追熟を含む)しやすいという問題がある。そのため、果実が肥大する初期のうちに散布を中止しておくのが無難である。それ以降の散布は、果実の肥大のために、1,000倍液程度の薄いものを散布するとよい。しかしながら、果実の熟期を石灰を速攻的に供給することによって、高糖度の高品質をあげているケースもある。


イネ・イグサ

育苗箱での毎日の灌水を1,000倍液で行うと、根張り、移植後の活着、発育がよい一般には出穂後に300倍液を数回散布すると種子の充実がよくなる。
土壌への施用は、苗床だけでなく、本田での根の伸長を促進する。施用時期はイネの有効茎数が決定した後がよく、それ以前では、分げつ数を増加しかねないからである。
施用にあたっては、落水して出口を止め、水口から10aあたり原液5〜6リットルを50〜100倍に薄めたものを取水中に混合して流し込むが、その時の倍率は適宜でよい。その際の落水の程度は、ところどころ水が残っている状態でよく、からからにして流し込むよりも土壌に平均に浸透するようである。なお、木酢液の湛水時間は1日でよい。

                            資料参照:奈良炭化工業(株)
    
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